今週は所用のため海上行動は休んでいる。14日(水)はティダの会で名護市教育委員会に対し「長崎兼久遺物散布地発掘調査に係る申し入れ」を行った。長崎は辺野古岬の本来の呼び名で、近くで碇石が発見されたため、名護市と沖縄県で調査したところ、陶磁器の破片等が散布していたことから、この間、調査が行われてきた。
名護市教育委員会によれば、来年3月末まで「記録保存を目的とした緊急発掘調査を実施する」とのこと。「今回の調査範囲は公有水面ではなく陸地部分」で、表土層、包含層を掘削し、遺物、遺構が出るかを調査し、地形を測量する。結果は「調査報告書」で示し、概要は『市民のひろば』で報告する予定とのこと。
調査を開始するのは来年、年明けからになる。発掘調査場所が米軍基地内のため、公表に当たっては英訳して米軍の許可を得る必要がある。調査終了とともに現場は工事会社に引き渡す。遺物、遺構が発見された場合は、沖縄防衛局と再協議する可能性もあるとのことだった。
上の2枚の写真は8月27日に撮影したものだが、最初に土砂が投入される「埋め立て区域②-1」(辺野古岬付近のN3-K4-N5の三護岸で仕切られた区域)の海岸部で行われている作業の様子である。名護市教委の図面で示された「調査個所」からは外れているので、どういうことかと思ってきたが、この地域でも遺物が見つかったため調査範囲を拡大したとの説明があった。
8月31日に沖縄県が埋め立て承認を撤回して以降は、発掘調査も止まっているが、台風の際にはブルーシートや土嚢の点検、整備を行ってきたとのこと。調査はほとんど終わっており、残りはわずかとのことだった。
沖縄防衛局は当初、この区域で8月17日に土砂を投入する予定と県に通知していた。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/266625
それまでには文化財の発掘調査が終わると踏んでいたのか。翁長雄志前知事の死去により、予定は大幅に狂ったわけだが、沖縄防衛局は同地域での調査を早く終わらせるように名護市教委に圧力をかけ、土砂投入の準備を進めるだろう。
しかし、調査は丁寧に行うべきであり、遺物・遺構が発見されれば情報を公開し、市民、県民が納得できる形で協議し、保護しなければならない。辺野古崎の自然と文化財を守り、土砂投入強行による破壊を許さないために、この地域の動きに注目したい。