7月12日付琉球新報に〈高江ヘリ着陸帯 中止に踏み切る時がきた〉という見出しの社説が掲載されている。〈着陸帯建設問題は明らかに潮目が変わった〉とし、〈オスプレイ配備反対と、オスプレイが使う恒常的な着陸帯建設を容認する矛盾は大きくなるばかりだ〉と指摘したうえで〈もはや着陸帯問題はオスプレイ配備と同根であり、仲井真弘多知事も建設反対に転換すべきだ〉と結論づけている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-193774-storytopic-11.html
東村高江区の住民がかねてから主張してきたことであり、米海兵隊の環境影響審査書が出る以前から、オスプレイの沖縄配備と着陸帯問題が〈同根〉であることは明らかだった。仲井真知事の矛盾を指摘し、建設反対への転換をもっと早くから社説で主張してほしかったと思うが、それでも琉球新報の12日付社説は評価できる。仲井真知事は高江区住民の声に耳を傾け、オスプレイパッド建設反対に転換すべきだ。
オスプレイを積んだ運搬船グリーン・リッジは、7月24日にも山口県の岩国基地に到着するといわれている。到着まですでに2週間を切っている。沖縄では8月5日の県民大会に向けての動きが活発化し、配備反対の世論は強まるばかりだ。そういう中で沖縄防衛局は、7月10日に高江のオスプレイパッド工事の再開に着手している。これは沖縄県民に挑戦状を突きつける行為だ。
http://takae.ti-da.net/e4089278.html
沖縄県民がどれだけ反対しようと意に介さない。高江区の住民をはじめ、沖縄県民がどれだけ危険にさらされようと関係ない。アメリカが望むとおりにオスプレイの訓練場を整備する。そのためには手段を選ばない。それが沖縄防衛局の姿勢である。真部朗局長には森本敏防衛大臣から、10月初旬のオスプレイ本格運用に向けて早く工事を進めろ、という指示が出ているのだろう。米政府に尻を叩かれて日本政府は、より高圧的に工事を強行する可能性が高い。
それに対し仲井真知事は、オスプレイ配備には反対するのに、オスプレイパッドの建設は容認する、という矛盾した姿勢のままでいるつもりか。県民大会に向けての姿勢とあわせて、仲井真知事にはオスプレイ配備反対についての本気度が問われている。知事が一貫性を欠いた弱腰な姿勢を示せば、知事の本気度が疑われるだけでなく、識名トンネル問題で政府に弱みを握られているのではないか、という疑念すら生じさせるだろう。
10日に高江に行った時、沖縄防衛局か工事関係者らしい車が、N4のゲート前を何度も通り過ぎていった。午後4時過ぎに通っていった乗用車には4人が乗っており、助手席の男がビデオカメラを向けてゲート周辺の様子を撮影していた。隙あらば工事を再開しようという沖縄防衛局の動きは、オスプレイ配備に反対する沖縄県民に挑戦状を突きつけるものであり、全県民的な反対運動でそれを阻止しましょう。