6月30日は普天間基地が開放されていた。こういう機会にしか中を見られないので入ってみたのだが、ヘリや戦闘機、輸送機、ハンビーなどの車両、PAC3発射台、爆弾処理機器の展示、ステージでの音楽、ダンス、出店、ミニ遊園地と、内容は他の基地のカーニバルやフェスティバルと同じで、特に変わった企画はなかった。
金網一つ隔てて別の世界がある。そういう状態が67年続いている。基地の中に住もうと外に住もうと、米兵たちは家族も含めてほとんどが、53年前のジェット戦闘機墜落事故も知らなければ、MV22オスプレイ配備に対し県民の抗議行動が行われていることも知らないだろう。
イラクやアフガニスタンのような緊張感もなく、思いやり予算によって生活環境も充実し、自然にも恵まれている。米軍にとって沖縄が居心地のいい場所であるかぎり、簡単に基地を手放すはずもない。
米軍は抑止力として沖縄・日本にいる、自分たちは米軍に守ってもらっている、と考える日本人は多い。お人好しというか何というか、米軍から見て日本人の精神年齢は、12歳からどれだけ上がったのだろうか。
米軍は自国の利益のために沖縄・日本に基地を置いている。沖縄人や日本人のためではない。だから、自らが行う訓練で沖縄人や日本人に被害が出ても意に介しない。訓練に支障が出ないかぎりは。
MV22オスプレイと交替する予定となっているCH46中型輸送ヘリも展示されていた。外から見ても中から見ても、古い機体だと分かる。以前にも触れたが、6月30日付琉球新報には、キャンプ・キンザーでCH46の解体工事が始まったという記事が載っている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-193274-storytopic-1.html
米軍にとってCH46はすでに用済みであり、より高性能のオスプレイを配備して、普天間基地を強化することが既定の方針として進められている。あくまで米国自身の利益のために。
沖縄や日本の防衛のためなら、オスプレイが有するほどの航続距離は必要ないはずだ。朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争と在沖米軍基地は、米軍の侵略戦争を支えてきた。沖縄や日本で訓練したオスプレイ部隊は、中東や朝鮮半島、東アジアの諸地域で米国が仕掛ける紛争に投入され、米国の利益のために活用されるのである。
オスプレイの訓練が沖縄だけでなく、奄美諸島、九州、四国、本州などでも行われることが明かとなり、飛行ルートにあたる全国の自治体でも、やっとオスプレイに関心が持たれるようになった。沖縄では8月5日の県民大会に向けて動きが進んでいるが、7月24日には山口県の岩国基地にオスプレイが陸揚げされようとしている。その前にもっと全国各地からオスプレイ配備反対の声を上げてほしい。