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Channel: 海鳴りの島から
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安田喜美子さん(三高女15期)の講演会

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 名護博物館で開かれている「やんばるの戦争と三高女」展の企画として、6月13日の夕方から講演会が開かれたので聴きに行った。講師は三高女15期生の安田喜美子さん。今帰仁村今泊出身で1935(昭和10)年に入学したとのこと。4年前には満洲事変が起こっており、2年後には日中戦争が始まった。教師の中からも出征し、戦死する人が出はじめた時期の学校生活について話をされた。 

 三高女の校舎は今の県立北部病院の敷地にあった。学校の運動場が狭くて石ころが多かったので、今の市役所付近にあった運動場まで机やイスを運んで運動会を行ったとのこと。セーラー服は自分で縫い、物不足でつぎはぎを当てて4年間着たが、きれいなつぎはぎはむしろかっこよく見えた。寮には、珍しい円形の浴槽があり、寮生活は門限や朝の点呼が厳しかった。上級生になると舎監の教師と仲良くなり、週末には舎監室で百人一首を楽しんだ。影響を受けた国語の教師のことなど、三高女時代の思い出が語られた。

 戦時色が強まるにつれ、運動場ではそれまでの健康体操に続いて建国体操も行われ、体を鍛えることに重点が置かれた。男が戦争に行くと母親の仕事が増えるので、三高女の生徒たちは、子どもたちに歌や遊戯を教える社会奉仕を行ったという。名護出身の田港一等水兵が上海で亡くなり、町民葬が開かれたが、家族はどういう思いだったか…など、当時の学校・寮生活、名護の様子をじかに聴けて興味深かった。

 戦前・戦中を生きた人たちの話をじかに聴く機会を、名護博物館は今回の企画展に限らず、数多く設けてほしい。撮影されたビデオはそのまま貴重な市民の証言記録となる。次回は19日(火)午後6時から上原米子さん(三高女21期生)の講演がある。八重岳の野戦病院で看護の手伝いをした体験など、北部の女子学徒隊の話が聴けると思います。貴重な機会ですので、ぜひご参加を。

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-06-10_34871/

 


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