21日(木)は朝、カヌー15艇で松田ぬ浜を出発した。本部町の塩川港を出た石材の運搬船が、大浦湾に入ろうとしているとの連絡を受け、辺野古岬の横を通って長島の近くまで漕いだ。
長島の間を抜けて大浦湾に出ようとしたが、海上保安庁のゴムボートに阻まれて、島に近づいたカヌーは次々と拘束された。
運搬船の近くには行けなくても、カヌーによる抗議行動の成果は出ている。カヌーや船による抗議に備えて、海保のゴムボートが長島周辺に移動しているため、K1護岸やN5護岸、仮設道路などの工事現場にまで海保の手が回らない。そのため、運搬船がK9護岸に着いて長島周辺の警備が終わるまで、工事開始が1時間以上も遅れている。
護岸や仮設道路の工事を早めるために海上から石材を搬送をしているはずだが、逆に運搬船が長島周辺を移動している間は、工事を中断せざるを得なくなっている。皮肉としか言いようがないが、これは偶然に起こっているのではない。カヌーや船のメンバーが積極果敢に抗議することによって、こういう形で工事の遅れが生じるのだ。
運搬船がK9護岸に向かったあと、拘束されたカヌーメンバーは海保のGB(ゴムボート)で、松田ぬ浜に運ばれて解放された。
N5とK1の護岸工事も開始され、捨て石の投下が行われた。仮設道路でも根固め用袋材を設置する作業が進められている。赤瓦の屋根の建物付近がN5護岸の起点部だが、200メートルほど離れているうち、仮設道路は半分くらいまで来ている。
この日は所用のため午前中でカヌーの活動を終えた。辺野古から名護市街に移動しているとき、国道329号線の坂道に丸政工務店やまるくにのダンプカー約20台が駐車していた。辺野古新基地建設に使用する石材を積んでおり、キャンプ・シュワブのゲートから入るために待機している工事車両だ。
現場は世冨慶から辺野古に向かう坂道で、速度が遅い車両を追い越すために片側2車線になっている場所だ。大型車両がこれだけ並んで待機すると、本来の追い越し車線としての機能は果たせない。こういう国道の不法占拠を沖縄県警は黙認している。辺野古新基地建設のためなら何でもありか。
夜はティダの会の忘年会があった。島袋文子さんをはじめ辺野古の皆さんが地域で地道に活動を続けてきた。その間、どれだけの苦労があったことか。12月20日は名護市民投票から20年の節目でもあった。長い闘いの積み重ねの上に今がある。皆でごちそうを囲み、今年の労をねぎらった。