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Channel: 海鳴りの島から
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辺野古「移設」推進派の本音隠し

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 6月10日に投開票が行われる県議会選挙も終盤となった。現在、仲井真県政は少数与党であり、与野党逆転がなるかが焦点となっている。普天間基地の辺野古「移設」が焦点となり続けている名護市選挙区では、4人が立候補していて、その1人が故岸本建男元市長や島袋吉和前市長の下で、助役・副市長の要職を務めた人物である。辺野古への「移設」受け入れ推進派として、この十数年、名護市のキーパーソンの1人であった。
 名護市選挙区では、県政野党の革新・中道系が2人立候補して競合しているのに比べ、与党・保守系は有力候補者が元副市長1人であり、比較的楽な選挙戦のはずである。それだけに、普天間基地「移設」問題に関して、これまで推進派として活躍してきた立場から本音を出し、積極的に政策を展開するかと注目していた。
 先だって、郵便受けに同氏の後援会が発行した会報が入っていた。実質的な政策ビラである。「雇用の創出」「定住の促進」「経済の発展」を3本柱にしているのだが、基地問題に関しては一言も触れていない。過去、自分がやってきた辺野古「移設」推進を打ち出せば、今の名護市では大幅に票を減らす、という計算なのだろうが、名護市にとって最重要課題の一つである辺野古「移設」問題に関し、政策を明確にしないでごまかすつもりだろうか。
 おそらくは、元副市長が当選した場合、辺野古「移設」推進の立場に立つヤマトゥの新聞や雑誌、ネット右翼などは、名護市で推進派が当選したと宣伝する腹づもりだろう。しかし、実際にはこうやって普天間基地「移設」問題に関し、名護市では争点ぼかしが行われているのが実態である。推進派も本音を前面に出しては、選挙をたたかえない状況にあるわけだ。
 今年に入って3人目の防衛大臣となった森本敏氏は、この状況をちゃんと認識することだ。「県内移設」を拒否する世論が、ここまで高まった沖縄の現実を踏まえなければ、何も進めることはできない。 


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