6月に入った。1日は私が原告になって国を訴えている裁判があり、海上行動は休んで那覇に行った。昨年の4月1日に米軍基地内で長時間拘束された件で、国に損害賠償を求めているのだが、今日の法廷であっけにとられるやり取りがあった。
私が米軍基地内で拘束された法的根拠を裁判長が求めたところ、国の弁護人はそれを明らかにするために3カ月必要だと述べた。裁判長はこれまで何度も進行を早めるよう求めており、3カ月と聞いてさすがに呆れたようだった。そのやり取りを見ていて、今に至って私を米軍基地内に拘束した法的根拠がはっきりしないことが明らかになり、怒りが湧いた。
お前ら法的根拠もあいまいなまま、人を長時間米軍基地内に拘束したのか。そう怒鳴りつけてやりたかったが、法廷で大声を出すことはできないので、ぐっとこらえた。
本来はすみやかに日本の司法警察に引き渡すか、解放すべきなのに、私の場合は8時間近く米軍基地内に拘束され、銃を腰に下げた米兵と向かい合って監禁状態に置かれた。その間弁護士と連絡も取れなければ、外部から私の所在を確認することもできなかった。その法的根拠が現時点では明確に示せないという。
米軍基地が日本の中で治外法権状態にあることがいっそう明らかになった。たとて米軍基地内であっても、拘束された市民の人権が守られ、弁護士と接見できるようにしなければならない。日米地位協定が日本国憲法の上位にあるような米軍の特権は許されない。海上行動に対する弾圧を抑止するためにも、この裁判を勝利したい。