昨年4月に名護市出身の女性を殺害した元海兵隊員の米軍属が、被害者の女性に責任転嫁する見解を示している。15日は朝っぱらから怒りと不快感を駆り立てる記事を目にして辺野古に向かった。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-444823.html
こういう連中のために辺野古の海や高江の森を破壊し、新しい基地を造って米軍に提供しようというのだ。それは愚劣の極みであるだけでなく、新しい犠牲者を生み出すことでもある。人を殺すことへの心理的抵抗を減らす。それは一人前の兵士を育てるために不可欠の訓練である。その最悪の「成果」がこの元海兵隊員だ。海上保安庁の職員や作業員は、自分たちが辺野古の海でやっていることが沖縄県民に何をもたらすか、真剣に向き合うべきだ。
15日は朝、カヌー9艇で松田ぬ浜を出発した。晴れて海は穏やかだったが、浜には米軍の水陸両用車が訓練に出る準備をしていて、物々しい雰囲気を作っていた。本来ならこの砂浜は、人々の憩いの場となるべき場所なのだ。それを米軍が占拠し、沖縄県民は立ち入ることすらできない。沖縄戦から72年が経っても、いまだ米軍に強奪されたままなのだ。
長島の周辺は澄んで海底がよく見えた。こういう海を破壊することの愚かさを実感する。辺野古岬から長島の近くまで漕いで休憩をとったあと、勝丸に乗ってフロート沿いに辺野古弾薬庫下まで往復し、状況確認を行った。
辺野古弾薬庫下や米軍のリゾートビーチの前に停泊したバージ船のコンクリートブロックはだいぶ減った。前日14日までに40個近くが投下されただろうか。押し潰されて破壊されるのはサンゴだけではない。海草や貝など海底には多くの生物が生息している。臨時制限水域を設定して市民の立ち入りを禁止するなかで、破壊の実態を押し隠し作業が続けられている。
フロートでは作業和船が移動しながらロープを張り替える作業を行っていた。鉄棒の穴にロープを通すと擦り切れてすぐにダメになるので、穴から細い紐を付けてロープを張っている。しかし、そうするとロープがだらりと垂れ効果は半減してしまう。
カヌーからすれば、もともと大玉のフロートは越えにくいので、ロープを張られても大した差はない。余計な作業を増やして時間を浪費してくれるのはありがたいことだ。しかし、血税の浪費は許されない。鉄棒は海の危険物でもあり、観光ホテルが目の前にある海域に、こういうフロートを設置してはならない。即座に撤去すべきだ。
こちらの写真は辺野古岬と長島の間に張られた網付きフロートのものである。緑の網の向こうにある茶色いロープが擦れてけば立っている。木の枠や鉄の鎖、鉄棒の爪などに擦れてこうなっている。すでに切れたロープも何か所かある。
海が荒れると鉄の鎖でも切れてしまうほど波の力は強い。フロートにフェンスを張るというバカげた発想で、作業員たちは果てしなく補修を強いられ、血税が無駄に使われるのだ。沖縄防衛局の愚かな指示がもたらした結果である。
コンクリートブロックの投下に対し、カヌー7艇がフロートを越えて抗議した。赤いクレーンの台船が投下している場所では、午前中で12個と11個(もしくは12個)の指標のブイが2列に並んでいるのが確認された。そのあと赤いクレーンの台船は次のコンクリートブロックを積むために浜の方に移動した。
この日は午後から沖縄防衛局への交渉と抗議行動があり、海上行動は午前中で切り上げとなった。2月もはや中旬となった。広い海での行動は厳しい条件下にある。寒いなか毎日6~7時間カヌーを漕ぐのは簡単なことではない。それでも新たな基地を造らせない、という思いで頑張っている。これ以上、基地あるが故の犠牲者を出してはならない。
テント2ではカヌーを片付けている間も猫が寝ている。猫には猫の苦労があるのだろうが、喰う寝る遊ぶで過ごしてみたい。