Ｎ１ヘリパッド建設現場で抗議行動２

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　Ｎ１地区では二つのヘリパッドが同時に建設されている。工事用道路から見て奥の方のヘリパッドは、すでにヘリやオスプレイが離着陸する接地帯の芝生を張り終えて、主要部分は完成したかと思われた。しかし、２６日には接地帯の外縁部の芝生がはがされ、細かい砂利を敷いた後に保護材を設置する作業が行われていた。

　現場を訪れた土木技術者からは、引き渡しに向けた米軍の調査で、接地帯の外縁部から崩落していく可能性を指摘され、雨水が浸透しにくいように補強工事をしているのではないか、という意見があった。

　いったん張った芝生を剝いでやり直しをするということは、年内完成を急がされて慌てて仕上げたものの、工事内容に不備があって補修せざるを得なかったことを意味している。沖縄防衛局は、すでに二つのヘリパッドは完成した、とメディアに発表していたが、実際には最初に完成したとされていたＮ１のヘリパッドの一つが、接地帯すら未完成であることが、市民の現地観察で明らかとなった。

　工事用土往路から見て奥のヘリパッド建設現場では、接地帯周辺の無障害物帯の整備も進められていた。伐採木を粉砕したチップを地面に敷き詰め、バックホーで均す作業が行われていたが、まだ切株がむき出しになっている場所もあり、ここに芝生を張り終えるにはまだ日数がかかりそうだ。

　周りを囲む防風ネットの外側に、土のう袋が山積みになっていた。森にばらまくチップが入っているのではないかと思われる。接地帯の補修作業が入って後回しになっているのだろう。各地区の建設現場では、防風ネットのまわりにチップがまかれているが、土にかえるには時間がかかる。産業廃棄物を森に捨てているだけで、「自然にやさしい工法」はまやかしにすぎない。

　工事用道路から見て手前のヘリパッド建設現場では、芝生の貼り付け作業や赤土流出防止柵の解体、無障害物帯の整備作業などが行われていた。奥のヘリパッドで車両やバックホーを使用しているため通路を確保しないといけない。そのため保護材の設置は終えたものの、芝生の貼り付けができない場所がかなりある。

　芝生を張り終えたあとは、本来は養生のために立ち入り禁止にすべきだ。しかし、車両が何台も乗り入れられているばかりか、赤土流出防止策を解体したあとの板や杭を片付けるため、クレーン車まで乗り入れていた。現場を確認した土木技術者によれば、本来は芝生を張る前に終えるべき作業が終わっていないのに、手順を無視して作業が進められているとのこと。

　安倍政権によってヘリパッドの年内完成を急がされ、現場では手順通りに工事を進めることができず、ずさんな形で作業が進められている。そのために米軍にやり直しを求められたら、時間を余計に使うことになる。

　あと３週間で「完成」したと形だけでも整えるため、現場の作業員は無理を強いられるはずだ。安倍首相や管官房長官の見えのために、どうして工事を急がなければいけないのか。愚劣としか言いようがない。