4月11日午後6時から沖縄県庁前広場で、〈政府防衛省・自衛隊によるPAC3配備に反対し、外交の平和的解決を求める4・11県民集会〉が開かれた。
http://www.qab.co.jp/news/2012041234929.html
小雨の降るなか主催者発表で300名余の参加があった。共催した各市民団体、政党のあいさつのあと〈集会宣言〉が発せられ、国際通りを牧志ウガンまでデモ行進した。
以下に「集会宣言」を紹介したい。
集会宣言
県民の皆さん。政府・防衛省は北朝鮮が発射を予告している人工衛星を即座に「長距離弾道ミサイル」と断定して、県内で自衛隊の軍事行動を大規模に展開させています。去る4月3日に、安謝港浦添埠頭からPAC3ミサイル発射装置や軍用車両が搬入されたのを皮切りに、その後、宮古島、石垣島等へも相次いで同様な軍事物資が搬入され、また、与那国島を含めた各島々へ数十から数百人規模に上る自衛隊の大部隊を移駐させています。
そもそも、政府が、北朝鮮が主張する「衛星」の真相を確認することなく、ただ一方的に、「弾道ミサイル」と即断し、自衛隊部隊とPAC3ミサイルの大規模な展開を行っていることは、外交問題を口実にする自衛隊の宣伝活動と厳しく糾されなければなりません。新聞紙上でも多くの論者が、ロケットを発射する燃料タンクを「迎撃」することに疑問を投げかけ、大部隊の展開を「大げさ」と批判していることからも明らかです。
一方で、大きく懸念されることが用意されていることを厳しく批判しなければなりません。政府が主張するように、本当に「衛星」を打ち落とすようなことがあれば、相手国には即戦争行為として認識され、取り返しのつかない不測の事態に立ち至ることです。事実、4月6日付けの報道は、北朝鮮政府機関が「平和的な人工衛星を迎撃するのは戦争行為であり、破滅的な悪影響を招く」と厳しく警告しています。すなわち報復です。ミサイルを発射した沖縄の島々が、それこそ本物の攻撃対象にされかねません。そのことを裏付けるように政府総務省消防庁は、他国からの武力攻撃を意味する「攻撃対象地域・沖縄」と表示した文書を関係自治体に送信したことを明らかにしています。政府は今回の自衛隊による軍事行動が事と場合によっては、沖縄が「攻撃対象地域」になることも想定の上で自衛隊に行動指示を発令したと言わねばならず決して許せるものではありません。
自衛隊によって演出される「有事」と軍事行動によって、沖縄が再び戦場にされるようなことがあってはなりません。同時に、政府防衛省が思うままに自衛隊の増強と全県基地化を画策することがあってはなりません。
私たち県民は、去る大戦の悲劇からあらゆる戦争に反対してきました。その立場から県民はこれまで米軍基地や自衛隊の縮小・撤去を訴えてきたのであり、決して軍事的緊張の招来と基地の強化拡大を求めて来たものではないことは政府も十分認識していることの筈です。そのことを理解しようとしない今回の政府の対応は、県民に対する背信行為と厳しく糾弾されなければなりません。そのことを踏まえ、私たちは、政府に対し、政府が今回の北朝鮮のロケット発射に、即座に軍事対抗することなく、あらゆる外交ルートを通じて「衛星」発射の真相を明らかにし、必要に応じて、関係各国の連携によって、北朝鮮に「衛星」発射を思いとどまらせる外交努力を行うことを強く要求し、これ以上の軍事的緊張を招来することなく事態の沈静化を図ること、あわせて大規模に展開された自衛隊部隊とミサイル網の撤収を要求します。
以上宣言する。
2012年4月11日
武力で平和はつくれない!
政府防衛省・自衛隊によるPAC3配備運用に反対し
外交の平和的解決を求める4・11県民集会