19日は土曜大行動で北部訓練場のメインゲートやN1表ゲート、県道70号線や砂利置き場など、各所で市民200人余がヘリパッド建設に反対して抗議行動を展開した。
この日は元海兵隊員の米軍属による女性殺害事件から半年の節目だった。県内紙の朝刊には、娘を殺害された父親の手記が掲載されていた。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-396886.html
朝、新聞でこの手記を読んで、高江に向かった。父親は私と同世代だ。同じ時代をやんばるで過ごし、名護の町ですれ違ったこともあるかもしれない。30代半ばで生まれた一人娘が成人し、どれだけうれしかったことか。事件さえなければ、やがて孫をつれて名護の町を歩くこともあっただろうに。
高江・安波のヘリパッド建設も辺野古新基地建設も、沖縄に集中している米軍基地をさらに北部に集中させようというものだ。その結果、米軍による事件、事故が北部地域で増加することは目に見えている。にもかかわらず、日本政府はこの事件などなかったかのように、ヘリパッド建設を強行してきた。
〈この事件を最後に米軍人、軍属の事件がなくなりもうこれ以上私たちのような苦しみ、悲しみを受ける人がいなくなるよう願います。それは沖縄に米軍基地があるがゆえに起こることです。一日も早い基地の撤去を県民として願っています〉。
手記に記された被害者の父親の願いは、無惨なまでに踏みにじられている。これが日本政府が言う沖縄の〈負担軽減〉の実態である。
https://www.youtube.com/watch?v=zuowFZT1aYo
https://www.youtube.com/watch?v=lgrunRSgLDc
この間、水曜・土曜行動の際には、砂利を積んだダンプカーの車列はN1表ゲートには来ず、メインゲートに砂利を運び込んでいるので、この日はメインゲートの南側にも市民が移動し、車列に抗議を行った。
例によって機動隊が出てきて弾圧したが、警察、沖縄防衛局、民間警備員、作業員のすべてが、沖縄・やんばるに基地を押しつけることで、いずれ起こるであろう事件・事故に責任を負っている。そのことを自覚すべきだ。
https://www.youtube.com/watch?v=4n2rYaUJbZA
砂利を降ろし、メインゲートから出ていく北勝建設のダンプカーに抗議が続いた。このあと、N1表ゲートから来た市民は元の場所に戻り、残った市民が二回目の搬入に抗議した。
午後はN1表ゲート前での集会と座り込みが続けられると同時に、訓練場内の砂利置き場の横でも抗議行動が行われ、50人ほどの市民が2回に分けて参加した。市民が間近で監視・抗議行動を行うと、作業員たちも無視はできず、4トンダンプカーに積載する砂利の量をいつもより減らしていた。
https://www.youtube.com/watch?v=MCdN_O2spKY&feature=youtu.be
かと思えば、4トンダンプカーの運転手のヘルメット着用は、再三指摘されてきたのになおざりにされている。沖縄防衛局は訓練場内は道路交通法が適用されないので違法ではない、と居直っている。過積載を含めて市民の監視があるときだけ、直しているふりをしているのが見え見えだ。
砂利置き場のまわりには、ヘリパッドの接地帯に芝生を張り付けるときの保護材が積まれていた。沖縄の反戦・反基地運動を潰そうという逮捕・長期勾留にひるむことなく、抗議行動は多くの参加者のもと連日くりひろげられている。沖縄県民に犠牲を強要するヘリパッド建設に、あらゆる手法で反対しましょう。