12日は土曜大行動日でN1表ゲートで集会が開かれた。同時にゲートの上にある砂利置き場には市民14人がやってきて監視・抗議行動を行った。また、G地区と米軍歩行訓練道路に市民18人が向かった。
この日はツールド沖縄1日目で、早朝、20トントレーラー車による砂利搬入が行われたが、それ以降の砂利搬入は行われなかった。砂利置き場でも午前中、4トンダンプカーに載せ替えてH・G地区に運ぶ作業は行われなかったので、現場を警備している沖縄防衛局、警察、民間警備員に抗議や問いかけが続いた。
午前10時過ぎ、ゲート前の集会を終えた平和市民連絡会のメンバー30人が、砂利置き場にやってきて抗議行動に加わった。この場所は、高江の行動をけん引してきた山城博治さんが逮捕されるきっかけとなった場所である。山城さんの逮捕以降、ここでの監視・抗議行動は週1回ほど続けられてきたが、集会は途絶えていた。
前日11日に山城さんが那覇地検に傷害や公務執行妨害、器物損壊などで起訴された。現場のリーダーを逮捕し、長期勾留することで、抗議行動を萎縮させて運動を停滞させることが、山城さんを逮捕した日本政府・警察側の狙いである。しかし、市民はひるむことなく森での行動を続け、ゲート前や国道・県道での砂利ダンプへの行動を続けてきた。
起訴翌日のこの日、山城さんの顔写真を掲げて、今後も抗議を強めていく意思を示した。山城さんをはじめ勾留されている5人と連帯し、彼らの意思を現場で形にしていく気持ちを込めて、砂利置き場の横に44人の市民が集まり抗議の声を上げた。
12日は午後から、市民10人ほどがN1地区のヘリパッド建設現場に工事の状況を見に行った。H・G地区と違い位置的に行くのが難しく、N1地区は長期間、現場の状況をまじかに確認することができなかった。
この日は警察・機動隊がG地区や宇加川の河口部を重点的に警備していて、N1地区には防衛局員1人しかいなかった。市民らは作業員らに話しかけたり、写真を撮ったりしながら、現場の様子を見て回った。
N1地区ではメガネ状に2基のヘリパッドが建設される。工事用道路側にあるヘリパッドは、道路付近で接地帯の高さにあわせる盛り土や土壁の補強工事と思われる作業が行われていた。反対側では接地帯にあわせる切土が行われ、出た土をフレコンバッグに詰めていた。
中央部には赤土が盛り上げらているが、周りでは一部が50センチ掘り下げられ、砂利を敷き詰める準備がなされていた。その近くには砂利を敷き詰めたあとに敷く緑の保護材が用意されていた。
奥の方のヘリパッドは、直径45メートルの接地帯など主要な部分は最終段階に入っていた。MV22オスプレイが離着陸する接地帯の表面は、外側にわずかに傾斜をつけて赤土が敷きならされ、幅15メートルの無障害物帯の法面では、芝生の貼り付け作業が行われていた。
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接地帯表面の赤土の下には、緑の保護材が敷かれているのが確認できた。この下には50センチの厚みで砂利が敷き固められている。法面の芝生の貼り付けが終われば、接地帯表面に芝生が貼られていくのだろう。それが終わればこのヘリパッドの主要部分は完成する。
N1地区は最初に着手されただけに、7月22日の工事再開から約3カ月半で一つ目ができようとしている。N4地区の時とは重機や作業員の量が違い、何よりも県警や県外の機動隊、沖縄防衛局、民間警備会社合わせて800人を超える警備態勢は、N4地区の工事ではなかったものだ。まさに、暴力と違法な作業を重ねて造られたヘリパッドが、やんばるの森をさらに破壊していこうとしている。
12日は日が暮れた午後6時半を過ぎても、重機が動く音が聞こえていた。年内完成を目指し、夜間も突貫工事が進められていると思われる。14日(月)にはヘリコプターを使用して宇嘉川河口に重機や資材が搬入される可能性が高い。砂利搬入も再開されるだろう。ぜひ多くの人に高江の現場で抗議行動に参加してほしい。