27日は午前7時半頃に市民がH地区に姿を見せ、ヘリパッド建設のために樹木伐採を行っている本部造園の作業員に、作業をやめるよう訴えた。前日までとは打って変わり、この日は朝から多数の機動隊員がH地区に集まっており、作業に抗議する市民の排除に乗り出した。
砂利を積んだダンプカーの車列に対する抗議が弱まれば、警備についていた機動隊がH地区やN地区に回ってくるのは予想できたことだ。前日、安倍首相が臨時国会の所信表明演説で、ヘリパッド建設を年内完了を明言している。そのことも影響しているのだろう、27日は機動隊が前面に出て樹木の伐採が強行された。
この日は沖縄県がN1からH地区に通じる工事用道路の建設について調査を行った。沖縄防衛局調達部の福島次長が説明していたが、H地区は調査対象ではないということか、県の職員は早々と通り過ぎていった。それでも関心さえあれば、大量の機動隊を動員して県民を弾圧させ、森を破壊している様子を目にしたはずだ。翁長県政の高江ヘリパッド県政に対する姿勢が問われている。
3日分の遅れを取り戻そうと、チエンソーが唸りを上げ続けた。午前中で平坦部分に残っていた樹木は、ほとんどが伐採されてしまった。倒された椎の木には青い実がなっていた。何十年もかけて育った木も、倒すのは数十秒だ。もっと多くの市民が現場に来ていれば、この木も生き延びることができただろう。残念でならない。
午後になり斜面部分の伐採を始めようとした。斜面部分では木も斜めに生えているので、倒れる場所は下の方になる。先回りして森の中に座り込むことで、この部分の伐採は止めることができた。しかし、平坦部分は前日まで盛だった部分が切り拓かれ、斜面部分も市民が午後4時頃に引き揚げたあと伐採が進められた。
山道を歩いて帰ることを考えれば、日没や雨を避けなければならない。作業は6時半頃まで行われるのがざらにある。おのずから対応できる範囲は限られるが、この日は最高で88歳の女性が山道を歩いてH地区での抗議行動に参加した。雨が降ったことを考えれば、早めに引き揚げてよかった。
沖縄戦を体験したお年寄りがH地区まで歩いているのだ。ヘリパッド建設を止めたいと思うのなら、あなたも歩いて抗議行動に参加してほしい。