12日(土)も海は風が強く海上抗議行動は中止となった。第3ゲートや山の上から大浦湾の様子を見た。海保やマリンセキュリティーのゴムボートがわずかに出ているだけで、作業船や警戒船の姿は見えず、海上作業は行われていなかった。
海底ボーリング調査を行っている緑のクレーン付き台船も、長島近くから陸寄りに移動して波を避けている。瀬嵩の浜ではヒヤミカチのメンバーがサップの練習をしたとのこと。
カヌーが中止になったので、カヌーメンバーの多くはゲート前に応援に行った。午前中、旧ゲート前に座り込んでいる市民を強制排除して、ダンプカー1台が出入りしたが、見方を変えれば、工事車両が1台出入りするにも、これだけの手間がかかるということ。
もしゲート前の座り込みがなければ、機動隊の動員もゲートをふさぐ門扉や網を張った鉄柵、殺人鉄板もいらない。スムーズに車両が出入りして工事はどんどん進んでいく。1回1回は機動隊に力で負けているように見えても、座り込んで抗議することが作業の遅滞をもたらし、沖縄防衛局や日米両政府を追い詰めていく。
それは海でも同じことだ。カヌーや抗議船が海に出なければ、フロートやオイルフェンスもいらない。海底ボーリング調査もとっくに終わっていただろう。何度も書くが、大浦湾でいまだに海底ボーリング調査が行われていること自体が、作業の大幅な遅れと、新基地建設が不可能であることを象徴しているのだ。
旧ゲートでは座り込んでいる市民の発言が続いた。前日に続いて、私もカヌーの行動について話をさせてもらった。稲嶺進名護市長も旧ゲートに訪れて発言し、座り込みに参加していた。
途中から新ゲートに回って、1時間ほど米軍車両に抗議した。米軍車両の出入りはいつもより少なかった。
沖縄の野山ではいちゅび(野苺)が咲き、赤い実をつけている。子どもの頃よく食べたが、実のなる木には小鳥を狙ってハブが来るから、必ず棒でまわりを叩いてから近づくように、と祖父から教わった。大浦湾を観察した後、いちゅびを摘まんで食べながら山を下りた。
カヌーチームの仲間から、テント2のまやー(猫)の写真をもらった。何の夢を見ているのやら。幸せな奴らだ。