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沖縄のネット右翼の動き 3 ー 手登根安則氏のデマの構造

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 2014年6月20日付沖縄タイムス電子板に以下の記事が載っている。

 〈【名護】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古沖への新基地建設に反対し、抗議の座り込みを続けるヘリ基地反対協議会のテントが20日午前、何者かに荒らされ、掲示物などが破壊されているのが見つかった。県外の子どもらが送った折り鶴なども引きちぎられ、無残な状況。安次富浩共同代表は「暴力と破壊行為で言論を封鎖しようとする許されない行為。まるで今の社会情勢を反映している」と怒りをあらわにした……〉。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=73694

 一ヶ月ほど前、辺野古の海岸沿いにあるヘリ基地反対協議会のテントが荒らされるという事件が発生した。その直後から、手登根安則氏を中心に沖縄のネット右翼が、反対派・沖縄左翼の「自作自演」説を主張し始めた。手登根安則氏は早くも翌21日には、自身のフェイスブックで「自作自演」説を主張し始め、コメント欄では以下のような主張も行っている。
 
 〈そうそう、彼らが見落としていることがひとつ・・・
辺野古浜には、米軍の高性能監視カメラが設置されております。
このカメラ、かなりの高性能でズームもばっちり、暗視機能もついておりますので、もしかしたら散らかしている皆さんの姿が映っているかも・・・
引き上げる車両に、「NO OSPLEY」のシールが貼られていたとしたら・・・
爆笑ものです。
さっさと被害届を出してもらって、捜査のためにと口実を作って警察は米軍から録画した動画を提供してもらえばいいだけ。
さあ、どうするハンタイ派のみなさん?〉

 〈6月21日 10:19〉の書き込みだ。辺野古浜に設置されている米軍の監視カメラについて、手登根氏は機能まで詳しく知っているようだ。手登根氏が指摘するように、辺野古の浜を分断して米軍が造ったフェンスの近くには、下のような監視カメラが設置されている。

 このカメラはふだんは、フェンス沿いを監視するようにレンズが向けられている。フェンスを越えてキャンプ・シュワブ内に侵入する人を監視するのが主たる役割だと思われるが、カメラは可動式でレンズの向きを変えることができる。

 上の写真は今年の5月16日に撮ったものだ。この日は辺野古の浜で「5・15平和行進」の出発式が行われていた。浜に集まった参加者を監視しようとしたのだろう、カメラは南側の集会の方に向けられている。ただ、この監視カメラを使って浜の参加者全体を見られたかというとそうではない。

 この監視カメラの南側はモクマオウやユウナ、アダンなどが自生しており、それらの木々に遮られて、フェンス沿い以外の視界は限られているのだ。

 上の写真3枚はテント村付近から撮ったもの。フェンス沿いの監視カメラからテント村までは200メートル以上ある。しかも間には浜に自生する木々や小高い森、港に置かれた漁船などがあり、テント付近から米軍の監視カメラを見ることはできない。逆にいえば、フェンス沿いの監視カメラでテント村付近を撮影することは不可能なのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=3y2S6Z8IhR4

 上の映像はフェンス沿いの監視カメラとテント村の直線上の中間あたり、漁港の北側から撮影したものである。ここからだとテント村は見えるが、テントの中までは見ることができない。また、監視カメラは木々に隠れて見ることができない。辺野古浜のフェンス沿いに設置された米軍の監視カメラで、テント村付近を見る(撮影する)ことができないのは明かである。

 もし仮に監視カメラからテント村付近を撮影することができたとしても、車を離れた場所に置き、海岸沿いに護岸を歩いてくれば監視カメラに写ることはない。こういうことを手登根氏はよく知っているはずだ。にもかかわらず、フェイスブックでは監視カメラにテントを荒らした犯人が写っているかのように平然と嘘を書いている。

 手登根氏はフェンスクリーンプロジェクト(FCP)と称して、これまで辺野古の浜のフェンスに張られた横断幕や旗、リボンなどをはぎ取る活動を行ってきた。そのために仲間と一緒に何度も辺野古の浜に来ている。当然、監視カメラの位置や周辺の状況もよく知っているはずだ。

 手登根氏は自身のフェイスブックで、はぎ取った横断幕や旗を私物化していることを写真入りで自慢してもいる。自分が「違法行為」と判断すれば、他人の所有物を「確保」「捕獲」と称して私物化していいのだろうか。

 さらに手登根氏は、ヘリ基地反対協議会のメンバーがいない隙を狙って辺野古のテント内に入り、掲示物を写真撮影したことも、自らのフェイスブックで自慢げに紹介している。

 このような手登根氏の行動を見れば、監視カメラにテント村が映るかどうか、よく知った上で「自作自演」説を展開しているとしか思えない。手登根氏は6月23日のチャンネル桜の番組「沖縄の声」(注1)でも同じように沖縄左翼の「自作自演」説を主張し、監視カメラについて言及している。李下に冠を正さず、という言葉があるが、手登根氏の過剰なまでの反応は、これまでの行動から自分が疑われかねない、と不安があるからではないのか。

 手登根氏は、米軍の監視カメラについてデマを飛ばしても、読者や視聴者は詳しい知識がなく、現場に行って検証する人はいないはず、と高をくくっていたのかもしれない。しかし、少し調べれば、手登根氏がいかにデマで人を欺ているかが明白になる。沖縄左翼や基地反対派を叩くためにデマを拡散し、不信感を煽る。これが手登根氏の手法である。

 手登根氏のフェイスブックを見ると、基地の中から撮影した写真、映像が紹介されている。普通の市民には撮影不可能なもので、米軍から提供されたものと思われる。それほど米軍と密接な関係にあるなら、〈さあ、どうするハンタイ派のみなさん?〉という前に、辺野古の浜の監視カメラの映像をロバート・D・エルドリッジ氏にでも頼んで提供してもらえばいい。実際に〈ハンタイ派〉が映っているなら、米軍は喜んで提供するだろう。

 (注1)6月23日は沖縄戦慰霊の日であり、番組では手登根氏もそれを意識して黒いかりゆしウエアを着ている。しかし、その隣に座っているMISAKIという女性キャスターのメイドコスプレはなんだろうか。左翼といわず、まともな右翼も冒頭の2人のふざけた様子を見たら激怒するのではないか。

 


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