1月13日に開かれた名護市議会の臨時議会で「普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書の公開と同飛行場の県外・国外への移設を求める県民の意見を知事意見に反映させることを求める意見書」(宛先 沖縄県知事)と、「市民・県民の総意を無視した評価書提出に対する抗議決議」(宛先 内閣総理大臣、防衛大臣、内閣官房長官、沖縄防衛局長)が賛成多数で可決された。以下に資料として紹介したい。
普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書の公開と同飛行場の県外・国外への移設を求める県民の意見を知事意見に反映させることを求める意見書
沖縄防衛局が12月28日午前4時過ぎに県に搬入した普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書の内容が報道された。新聞報道によると、評価書で初めて明記された普天間飛行場代替施設への垂直離着陸輸送機MVー22オスプレイ配備に関し、睡眠障害、健康被害等々が指摘される特有な低周波音について心理的、生理的影響を受ける可能性が生じる値を予測している。準備書で示した「うるささ指数」に関しても14調査地点全てで上回る値を見込み、同機が放つ騒音による生活環境悪化の見通しが顕著となっている。
一方、飛行経路が台形から楕円形へと変更され「周辺地域上空を基本的に回避する方向」との表現に変え、住宅地上空の飛行を明確には否定せず、米軍の「運用上の所用等」で飛行場に離着陸する際の楕円形場周経路を外れる場合もあるとしている。また、航空機が別の基地へ移動する際の飛行経路は盛り込まれておらず、集落地域に与える騒音の影響が予測を上回る可能性も十分に考えられるという。
準備書への知事意見に対する事業者の見解が示されたが、「米軍の運用の細部に関するもので、具体的に示すのは困難」等明確に答えきれていない箇所がみられ、航空機運航に伴い電波障害が悪化する見込みも明らかになったと記載されている。
よって、名護市議会は、市民・県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、普天間飛行場代替施設に係る評価書を早急に県民へ公開することと、審査会において慎重な審査を求めるとともに同飛行場の県外、国外への移設を望み、埋立てを認めぬ県民の意見を広く取り入れ、知事意見に反映させることを求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年1月13日
沖縄県名護市議会
市民・県民の総意を無視した評価書提出に対する抗議決議
防衛省沖縄防衛局は、昨年12月28日午前4時過ぎ、「評価書の入った段ボール箱16個を県庁守衛室に搬入、警備員に預けて立ち去った」と新聞に報道された。沖縄県議会及び地元名護市議会をはじめ、多くの市町村が評価書提出断念を求める意見書が採択された中での評価書提出は、通常業務終了後でしかも年末の未明に運び込まれるという前代未聞の暴挙である。
さらに、報道によると飛行経路等が米軍の運用上の問題として、準備書段階から大きく変更され、また、MVー22オスプレイがアセス最終段階の評価書で初めて記載されるほか、低周波音が基準を超す予測を立て、健康被害も生じさせるなど評価書の内容は、県民を欺き、あたかも建設ありきで許し難いものとなっている。
野田政権の対米追従の姿勢を浮き彫りにしたものであり、主権者である県民を無視することは断じて許せるものではない。
よって名護市議会は、政府、防衛省及び沖縄防衛局に対し、市民・県民の総意を無視した評価書提出に対し強く抗議するものである。
以上決議する。
平成24年1月13日
沖縄県名護市議会