写真は今年の1月9日に撮った大国林道・謝名城−浜区間の様子である。すべて異なった場所で、道路を完全にふさいだ大規模なものを含め、各所で土砂崩れが発生していた。やんばるの森を切り開いて樹木を伐採すれば、表土の薄いのり面が崩落を起こすことをよく示している。
大国林道は計画段階から批判と反対の声が大きくあがった。それを無視して建設を強行し、今はこのような惨状を呈している。森が切り開かれたことで風が吹き込み、土壌が乾燥して植物の生育環境が激変する。枯れ死する植物に、住処を追われた動物や昆虫。さらに人が容易に入り込めることで、希少植物や昆虫が不法採取されていく。
林道工事だけではない。高江のN4地区で進められているヘリパッド=オスプレイパッドの建設工事も同じである。南、西、北の三方を谷間に囲まれた狭い場所に直径75メートルのヘリパッドを造るという計画自体が無理だったのだ。反対の声を無視して無理を押し通したために、無障害物帯というヘリパッド本体ののり面が土砂崩れを起こしている。その第一の原因が、工事の一環として樹木を伐採したことにあるのは明白である。
やんばるの森を世界自然遺産にしようというのなら、沖縄県民はこの現状を直視して、この間、国や県が進めてきた林道工事、米軍基地建設について、深く反省しなければならない。やんばるの森はすでにズタズタになっている。この現状を反省することなく、世界自然遺産へ、などと言えたものではあるまい。N4のヘリパッド工事の完成を許さないために、現地及び各地で多様な運動を展開しましょう。