県内紙の新年号に、大浦湾で土砂陸揚げを行ってきたランプウェイ台船・駿河とその押し船・第一駿河が、恩納村名嘉真の海岸に座礁しているとの記事が載っていた。1日の午後3時頃、同海岸に様子を見に行くと、道路のすぐそばの砂浜に2隻が乗り上げていた。
新聞報道によれば、前日12月31日の午前、本部町瀬底島南の海域から漂着した2隻を、作業員がロープで護岸に固定したという。歩道脇にはトンブロックが2か所に置かれ、駿河と係留ロープで繋いであった。
30日は天気が荒れて海は時化となっていた。船員が正月休みで無人となっていたため、アンカーが外れるか切れるかして20キロほど漂流し、同海岸で座礁したようだ。けが人や油の流出などはなかったとのこと。
砂浜に下りて近くで見ると、干潮なので駿河の左舷後部は岩に乗り上げ、岩とこすれたらしい新しい傷が船体のあちこちについていた。
駿河の左舷前部も岩にぶつかったようで、船体に張り付いたカキやフジツボが一部剥がれ落ちている。断面が新しい岩が転がっていて、衝突した際に砕けたのではないかと思われる。
駿河の上には辺野古の海に投入する埋め立て用土砂の残りが載っていた。駿河は赤白のスパッドが3本付いているが、前部にはトラックが乗り降りできるランプウェイも付いている。この間、主にK9護岸で埋め立て用土砂の陸揚げを行ってきた。
大浦湾での停船位置は、現在、大型デッキバージが設置されている付近だった。上の写真は11月19日に撮影したものだが、私の写真記録では、大浦湾にいたのはこの日が最後で、21日には姿が見えなくなっている。何らかの理由で瀬底島南の方に移動していたらしい。
駿河は社名を書いた看板を外している。辺野古埋め立てをしていることが後ろめたいらしい。姑息な会社だな。
駿河と第一駿河が座礁している浜では、外国人の家族が遊んでいた。
恩納村の海岸には大型リゾート施設が集中している。すぐ近くの伊武部ビーチは、ヤンバルの住民には60年代から親しまれた場所だ。一歩間違えばリゾート施設に被害を及ぼしたかもしれない。
新型コロナウイルスの感染拡大中ではあるが、年末に年始に沖縄を訪れている観光客もいる。ただでさえ痛手を負っている沖縄観光に被害が生じる危険性があったのだ。2隻の漂流、座礁事故は、船会社と沖縄防衛局の大失態であり、原因を明らかにしたうえで県民に謝罪すべきだ。