16日(水)は午前10時から名護市議会を傍聴してきた。新型コロナウイルスの感染防止のため、傍聴席は半分ほどしか入れなかったが、どうにか座ることができた。
沖縄防衛局が沖縄県に提出した「公有水面埋立変更承認申請書」に関し、県から名護市に意見が諮問されている。それへの回答として渡具知市長は、辺野古漁港周辺の埋め立てが取りやめになったことに限定して「異議はない」との意見を出そうとしている。法令上問われているのは同埋め立て予定地の「用途変更」についてのみで、それ以外については答える必要がない、という立場だ。
軟弱地盤をはじめとした大浦湾側の工事の問題や、新基地建設が名護市および市民に与える影響、自然・社会環境の破壊など多様な問題は不問に付し、県に提出された579件の市民の意見も無視していることに批判が噴出している。
午前中の議会では、与党で辺野古区住民の宮城安秀議員が市長の意見について「いったん取り下げたらどうか。臨時議会にかけないと収拾がつかない。野党にしっかり議論させたらいい」と発言し、野党席から拍手が起こる場面もあった。渡具知市長も「いろいろ疑義があるのはその通り。しっかり疑義については議論したい」と答えざるを得なかった。
もう10年以上前になるか。辺野古で新基地建設を推進していた人の中には、辺野古漁港周辺が埋め立てられ作業ヤードになることについて、工事終了後は辺野古区が埋め立て地を住宅地として利用できる、と宣伝している人もいた。松田ぬ浜が埋め立てられハーリーができなくなることを残念がる声もあった。辺野古区住民の中には様々な思いや思惑があったはずだが、それらは沖縄防衛局と渡具知市長に簡単に葬られようとしている。宮城議員の発言を聞きながら、かつての推進派の主張を思い出した。
今日の議会では野党議員から、防衛局が出している書類に公印、日付がないことや、設計概要変更の資料が議員に配布されていないこと、さらに名護市が公有水面埋立法の解釈を国交省に問い合わせたことなどが追及された。午後も議会が続いたが、本格的な審議に入る前に形式的な面での問題の指摘が相次ぎ、議会運営委員会の提案で21日(月)に継続討議することが決まり、午後2時26分に閉会した。
前日に続き、昼休みに名護市役所の広場で集会が開かれ、120名ほどの市民が集まった。野党議員も7人が参加し、議会での審議の様子が報告され、渡具知市長の「意見」の問題点が批判された。ほかに美謝川の河口切り替え問題についても、議員団と市民で反対の取り組みを強めていこうとの呼びかけがなされた。
議会傍聴のあとは、雨の合間を縫って名護市内でビラまきを行った。沖縄も冷え込んでいて、新型コロナウイルスの感染の高止まりが続いている。今日は名護市と北部地域での感染者が多かった。よく注意したい。