昨年の9月、ペテルブルグのチフヴィン墓地にあるドストエフスキーの墓を訪ねた。1人でゆっくりと墓地をめぐり、偉大な小説家の墓を眺めながら、物思いにふけった。
新型コロナウイルスの世界的感染がおこる前に、一度はぜひ訪ねたかった場所で、いい時間を過ごすことができてよかった。
ドストエフスキー記念館を探すのは少し手間取った。「カラマーゾフの兄弟」を執筆し、最後のときを迎えた書斎が当時のまま残っている。墓地もそうだったが、世界中から訪れているだろう見学者に、若い女性が多いのが目立った。
写真は上から、センナヤ広場、ドストエフスキーが『罪と罰』を執筆したアパート、同作でラスコールニコフとソーニャのアパートとされた建物。歩いて建物を回り、『罪と罰』という長編は、こんなに狭い地域で起こった数日間の話なのか、と再認識させられた。