昨年の11月7日、27日、12月1日の本ブログで、琉球セメント旧桟橋の問題について書いた。全体的に老朽化による錆や破損が酷く、とりわけ海から見て右側は劣化が進行し、危険な状態であることを写真で示した。左側は元の状態を保っているので、作業員は安全に移動できる。しかし、右側は大きく破損し、単管を組んで足場板を渡している有り様だ。
そのため、作業員はセメントを積み込む船が接岸と離岸する際に、足場板の上を歩いて移動する危険な作業を強いられている。手すりもないのでロープを張って代用し、転落防止のため下に張ってあるネットも簡単なものだ。
旧桟橋は建設された当初から、こういう状態だったのではない。以前の旧桟橋の状態はどうだったのかと資料を探したら、『沖縄にありて 琉球セメント20年の歩み』(1981年9月28日/琉球セメント発行)に旧桟橋の古い写真が載っていた。
当然のことながら元の姿を見ると、海側から見て右側も左側と同じ造りになっていて、この当時は作業員も安全に移動できたはずだ。
旧桟橋の右側がいつの時点で大きく破損し、現在のような単管と足場板で造られたものになったのか、具体的な時期は分からない。しかし、本来なら破損個所を元の通りに修復し、作業員が安全に作業できるようにすべきだったはずだ。それをしないで琉球セメントは、仮設の橋を造ってその場しのぎを続けてきたのだ。企業の利益のために、作業員を犠牲にしてきたと言っていい。
新桟橋ができた現在、これまでと同じように作業員に危険な作業を強いることは許されない。琉球セメントはすぐに旧桟橋の使用を止め、撤去すべきだ。沖縄県も旧桟橋の使用を継続させてはいけない。何のために新桟橋を造ったのか。セメントの積み込みという本来の業務は、新桟橋で行うのが当たり前ではないか。
辺野古に土砂を運ぶガット船に新桟橋の使用を優先させ、今後も旧桟橋を使い続けるなら、琉球セメントも沖縄県も作業員の安全性を無視して、新基地建設を進めているということだ。金儲けのためなら作業員に危険な作業をさせてもいい、というでたらめ姿勢を許してはならない。