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Channel: 海鳴りの島から
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延びる工期、肥大する予算ー辺野古は利権の巣窟か/大量の消波ブロック設置による辺野古の海の破壊を許してはならない。

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 26日(木)はキャンプ・シュワブゲート前に行き、この日2回目の資材搬入に抗議する座り込みに参加した。年の瀬が迫るなか、70人ほどの市民が椅子に座って歌や踊り、シュプレヒコールを繰り返しながら、機動隊の強制排除に屈することなく抗議の声を上げ続けた。

 キャンプ・シュワブのゲートでは連日、ミキサー車が長蛇の列をなし、大量の生コンが運び込まれている。辺野古側埋め立て工区の護岸の外側に設置する消波ブロックを制作するためだ。

 埋め立てに使用する赤土土砂が海上から搬送されている現在、工事用資材を搬入する車両の多くは生コン車だ。栗石や鉄板も搬入されているが、それも消波ブロックを設置する大型クレーンの足場をつくる材料である。

 繰り返し書いているように、辺野古の海を破壊しているのは砕石や赤土土砂だけではない。消波ブロックというコンクリートの塊も、同じように海底に棲む生き物を圧殺し、辺野古の海の環境を破壊している。辺野古の海に石も土もコンクリートも投入させてはならない。

 日本政府・防衛省が辺野古新基地建設の工期を12年に延長し、総工費も9300億円と当初の2.7倍に肥大する試算を明らかにしている。これまで辺野古で行われてきた海底ボーリング調査や護岸建設、埋め立て工事などが当初の計画からどんどん遅れて行ったことを見れば、政府の試算がいずれ破綻するのは目に見えている。

 このままでは普天間基地の返還はなし崩しに先延ばしされ、莫大な予算が浪費されていく。それで笑うのは基地利権に群がる政治家やゼネコン、一部企業、地域ボスなどの「基地マフィア」どもだ。消費税が10パーセントに引き上げられ、庶民は生活の不安を抱えて苦しんでいるのに、完成のめども立たない米軍基地建設のため、とめどなく予算が肥大していく。これで怒らなければ愚かである。

 砕石や生コンを運ぶ企業はもうかっているのだろう。ピカピカの新車が増えている。だが、それら一部の企業に流れている金は我々が払った税金だ。莫大な予算を投じて基地を造っても、新たな価値や富は生産されない。一方で、そのしわ寄せと被害は沖縄県民全体に降りかかる。

 これから日本政府・防衛省は、普天間基地の返還が遅れているのは玉城県政や沖縄県民が新基地建設に反対しているからだ、という責任転嫁と分断工作を行っていくだろう。そうやって県民同士を対立させ、来年の県議会議員選挙で自公勢力を伸ばそうというのが安倍政権の狙いだ。

 その愚劣な狙いを許してはならない。敗戦の混乱に乗じて建設された普天間基地は、無条件で沖縄県民に返還するのが当然であり、代替施設を造る必要もなければ、ヤマトゥで引き取る必要もない。いつまで卑屈に米国の顔色をうかがうのか。

 この日は所用があって、その合間にゲート前に寄ったのだが、午後1時45分から2時7分頃にかけて豊原の高台と瀬嵩の海岸から埋め立て工事の様子を見た。K8護岸とK9護岸の両方から赤土土砂が陸揚げされ、②-1工区のK4護岸沿いとK3護岸沿いの内側、そして仮設道路の中央付近に土砂が投じられていた。

 投入される土砂の容積から見て、まだ1パーセントしか埋め立てが進んでいない、という気休めは、現場の状況から目をそらした逃げでしかない。K9護岸建設のために初めて海に砕石が投じられたとき、あなたはどういう反応を示したのだろうか。

 これだけ埋め立てが進んでも、まだ1パーセントと口にする自分の感性の狂いを自覚しないといけない。1パーセントでも埋め立てられて悔しい、という島袋文子さんの感性に学びたい。


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