11日(水)は午前中、雲が垂れ込めて時折小雨が降り、不安定な天候だったのでカヌーで海に出るのは止め、抗議船・平和丸による海上監視を行った。
午前8時50分頃、長島の間を抜けて大浦湾に出ると、うねりが高く波が長島の岸壁に打ち寄せていた。埋め立てに使う赤土土砂を積んだガット船が開口部から入るところで、寿鷲丸、marumasa2号、清明、航安丸の4隻が大浦湾に入っていった。同時に、前日土砂を搬入した第六十三さだ丸が出ていった。
大浦湾に入ったガット船は早速、空のランプウェイ台船に横付けし、土砂の積み替えを行っていた。
K8護岸とK9護岸では、前日のうちに搬入していた土砂を使い、午前9時前から土砂の陸揚げが行われていた。ダンプカーに乗せられた土砂は辺野古側の②工区に運ばれ、海に投入されている。
辺野古の新基地建設はまだ数パーセントしか進んでいない。都合のいい数字を並べて、安心を抱かせるような発言がなされることがある。しかし、それは現実から目をそむける机上の空論でしかない。すでに昨年の夏、護岸で閉め切られた時点で辺野古側の海は死んでいる。そこにいま、連日土砂が投入され、海が破壊されている。
大浦湾側の埋め立て工区に比べれば、辺野古側は海が浅く、容積は小さくなる。だから全体の土砂投入量に比べれば、数字の上では小さく見える。しかし、K8護岸とK9護岸を同時に使用すれば、10トンダンプカー500台分以上の土砂が1日で海に投入されるのだ。もしゲート前からそれだけのダンプカーが毎日入っていたら、皆もっと強い危機感を持つかもしれない。
現場で起こっているのは、止めなければ埋め立てが進み、海の破壊が進む、という容赦ない現実だ。軟弱地盤の問題を持ち出して工事はいずれ行き詰まる、と言っているうちに、辺野古側の埋め立てがどんどん進められているのだ。
K2護岸では、それまで設置してきた場所から間をあけて消波ブロックの設置が行われていた。船の上から眺めているだけなのがもどかしかった。
片降(かたぶ)いの辺野古の海に虹が出ていた。護岸とオイルフェンスがなければ、美しい風景を楽しめるのだが…。