5日(火)は名護市安和の琉球セメント桟橋に行き、カヌー7艇とゴムボート(ハクイ)1隻、抗議船(木の葉蝶)1隻で、土砂を積み込むガット船に抗議した。
桟橋付近で1隻目の神峰に抗議したあと、2隻目として寿鷲丸というガット船が桟橋に着岸した。しばらく前から使われているようだが、安和桟橋でカヌーチームが抗議するのは初めてとなった。
赤土まみれの土砂がダンプカーで運ばれ、ベルトコンベアーでガット船に積み込まれる。これが辺野古の海に日々投入されている。
いつの間にかその現実に慣らされ、鈍感になったり、目をそむけたりしていないか。現場から足が遠のき、メディアやインターネットで情報を得て、何か分かった気になって終わっていないか。辺野古について論じることは得意でも、汗を流すことは避けるようになっていないか。
辺野古新基地建設はまだ何パーセントしか進んでいない。そうやって机上の議論で数字をもてあそび、日々殺されている海の生き物たちのことを忘れようとしていないか。首里城の炎上を悲しむように、辺野古の海や高江の森が破壊されていることも悲しんでほしい。
この日は午後4時までに神峰、寿鷲丸、航安丸の3隻が桟橋に接岸して土砂を積み込んだ。カヌーチームは出港に合わせて桟橋下で抗議行動を展開している。行動することでそれぞれ1時間程度の遅れが生じている。合わせて2時間あれば、平均的なガット船1隻が土砂を積み込むことができる。
海上やゲート前の状況を現場で継続的に見ている者でなければ、そこで何が起こっているかを理解することはできない。日替わりで担当が変わるマスコミの記者がたまに来ても、現象をなぞることしかできない。彼らには毎回カヌーが海保に排除されて終わり、としか見えていないだろう。だが、こういう日々の積み重ねが工事の遅れをもたらしていくのだ。
名護湾の上には深まる秋を感じさせる空が広がっていた。辺野古新基地建設を止めたい、遅らせたいと思うなら、ぜひカヌーに乗って海に出てほしい。カヌーに乗るのは小学生でもできるが、大切なのは工事を止めよう!という意思を持って行動することだ。