5日(金)は午後4時から新基地建設問題を考える辺野古有志の会/ティダの会による沖縄防衛局への申し入れがあったので参加した。申し入れ項目は以下の5点である。
①辺野古弾薬庫の建て替えについて。
②アジサシの営巣を妨害するネット設置について。
③国道329号線の地下道工事による道路陥没について。
④久辺3区の下水道整備に伴う自己負担無償のチラシについて。
⑤新基地建設に伴う建造物の高さ制限に関する住民説明会について。
時間が限られていたので、議論は主に①と④に集中した。①の辺野古弾薬庫の建て替えに関して市民側から、事故が発生した際に住民の避難計画はあるのか、と質問があった。それに対し沖縄防衛局の稲葉正成氏(写真でテーブルの向こう右端)は、避難計画はない、と答えた。
事故が発生した時に住民はどこにどのように逃げるのか。米軍や沖縄防衛局から区長への連絡はどうなるのか、についても、マニュアルはない、と述べていた。質問に対する答えぶりを見ていると、これまで住民の避難計画について検討したことがなく、考えたことすらないようだった。
これは恐るべきことだ。辺野古弾薬庫は住民が生活する地域に近く、そばを国道が通っている。かつては核兵器も保管されていたと言われている。辺野古新基地ができれば、MV22オスプレイをはじめとした米軍機が頻繁に飛び交う。崖の上にある弾薬庫にはV字型滑走路の高さ制限に触れる問題もある。
このような危険な状況にあるにもかかわらず、辺野古弾薬庫には事故発生時の住民の避難計画がなく、それを検討した形跡すらないのだ。これが沖縄防衛局の口にする「安全」の実態である。久辺3区や二見以北10区の住民の生命、生活、安全はないがしろにされている。
④のチラシについて沖縄防衛局の當山智数氏(写真でテーブルの向こう左から2人目)は、久辺3区が自分たちで作成したものである、と明言していた。しかし、3区の区長の一人は住民に対し、沖縄防衛局が作成したのを配布した、と語っている。事実はいずれにあるのか。
チラシのデザインはどこが作成したのか。印刷予算はどこから出たのかについて、當山氏は「助言した」だけであると言い張っていた。辺野古、豊原、久志の3区は区の予算でチラシを作製したのか。もし公務員が公の場で嘘をついていたら、重い責任を負う。
申し入れには辺野古の島袋文子さんも車椅子に乗って参加した。辺野古弾薬庫やキャンプ・シュワブで事故が発生し、住民の避難が必要となったとき、足の不自由なお年寄りは簡単に逃げられない。避難計画すら作成していない沖縄防衛局は、どう対処するつもりか。
4日(木)には名護市安和の琉球セメント桟橋で、ガット船の作業中に転落事故が発生している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190705-00010003-qab-oki
波が荒いなかで無理に接岸したため、ガット船が横揺れして事故を引き起こしたのではないか。沖縄はこの数日天候が悪化しているが、気象条件が悪いなかで土砂の積み込みや陸揚げ作業を強行すれば、労働者を危険にさらすことになる。沖縄防衛局の「安全」管理が根本から問われている。