13日に北谷町のアパートで在沖海兵隊所属の海軍兵と日本人女性の遺体が発見された。県内メディアの報道を見ると、米兵が女性にDVやストーカー行為を行ったうえ、刃物で女性を殺害して自殺した可能性が高まっている。
米軍憲兵隊と沖縄県警は事前に二人の間でトラブルが発生していたことを把握していたという。にもかかわらず事件を防ぐことができなかった。4月15日付琉球新報はこう報じている。
〈県警によると、1月下旬に憲兵隊から沖縄署に「男女間の交際トラブル」があると通報があった。署員が女性と面談し、聴取した結果、DVやストーカーなどの人身関連事案と判断。女性を保護対象に指定して、被害届の提出を勧めた。しかし女性は「憲兵隊に頼んでおり日本の警察は大丈夫です」などと述べ、保護や捜査への申し出には積極的ではなかったという。沖縄署は2~3月にも面談や電話で女性と接触したが、態度は変わらなかった〉。
女性からすれば相手は米海軍兵だから、米軍の憲兵隊に頼んだ方が相手の行動を抑制できる、と考えたのかもしれない。女性の依頼に対し、米軍憲兵隊は男性にどのように対処したのか。どうして海軍兵が基地外に出て、女性と接触することを禁止しなかったのか。「トラブル」を把握していながら、事件の発生を防げなかった米軍の責任は重い。
沖縄県警の対応もどこに問題があったのか。そのことが問われなければならない。DVやストーカー行為の実行者が米兵の場合、日本の警察はどこまで対応できるのか。仮に女性が保護を求めたとして、日本人と同じように米海軍兵を規制できるのか。そこにも日米地位協定の壁はないのか。問われるべき点は多い。