22日(土)はカヌー16艇で松田ぬ浜を出発した。抗議船2隻と合流し、午前中はK9護岸で陸揚げされる赤土混じりの岩ずり(土砂)の陸揚げ作業の様子を監視したあと、ランプウェイ台船が入れ替わるのに合わせてフロートを越え、抗議行動を展開した。
埋め立て用に使用されている「岩ズリ」の赤土の含有量が問題となっている。下記のブログで詳しく検証されている。
https://blog.goo.ne.jp/chuy/e/62f6664d09e564244df9daf72b66a525
K9護岸の近くで見ていると、ランプウェイ台船に積まれている「岩ズリ」は、土が流れ落ちたのか表面は岩が多く見えるが、ショベルカーで掘り崩すと大量の赤土が含まれているのが分かる。
22日は天気がよかったので、K9護岸をダンプカーが往復するたびに、赤い土ぼこりが舞い上がっていた。沖縄防衛局は沖縄県の行政指導に従って、埋め立てに使用している土砂の投入を即座に中止し、県の立ち入り検査に応じるべきだ。
安倍政権は新基地建設のために法も論理も倫理も踏みにじっている。安倍首相や管官房長官は、よく恥ずかしげもなく「法治国家」という言葉を使えるものだ。
抗議をしているさなかは自分もカヌーを漕いでいるのでカメラを扱えない。拘束後にしか写真を撮れないのがもどかしいが、カヌーメンバーは工事を止めるために、みな必死でカヌーを漕ぎ、海保に拘束されたあとも抵抗を続けている。
空になったランプウェイ台船が離岸して沖に移動したあと、次の土砂を積んだ台船がK9護岸に向かっていく。午前中でK9護岸の近くまで移動すると、午後1時頃から土砂の陸揚げ作業が再開された。
K9護岸での土砂陸揚げと並行して、朝早く大浦湾に入ってきたガット船から、空になったランプウェイ台船に土砂を移し替える作業が進められた。
2隻のランプウェイ台船を交互に使い、1日にガット船3隻分の土砂を陸揚げし、埋め立て現場に投入するサイクルができてきている。このサイクルをどう遮断し、遅らせていくかを玉城知事まかせにしてはいけない。
沖縄県が行政権限を駆使して、工事を止めるために尽力するのは当然として、それをあれこれ評論するだけで、自分は各工事現場で行動しなければ、工事が止まるはずがない。辺野古のゲート前、海上、安和の琉球セメント桟橋、高江のヘリパッド建設現場と抗議現場が増えることで、より多くの人手が必要となっている。
抗議行動を分散させるのは沖縄防衛局の狙いでもある。年末の忙しい時期だが、時間のやりくりをして各現場に駆けつけましょう。
午後は抗議船に乗って辺野古側の状況を見に行った。N3護岸では土砂を積んできたダンプカーがやってきて、投入のために海の方に降りていく。ドローンで空撮された映像を見ると、海の破壊が進んでいて胸が痛むが、それで諦めて目をそむけてしまえば、破壊は拡大する一方だ。残された海の生き物の命を救うのは、私たちの努力しかない。
K4護岸の上ではクレーン車やショベルカーを使い、護岸の修復作業が進められていた。この護岸の高さはまだ半分でしかない。この高さまで土砂を入れて満杯にしても、さらにその倍までかさ上げしないといけないのだ。さらにその先には水深の深い大浦湾の工事がある。
その大浦湾側の護岸工事を日本政府は2020年以降に先延ばししている。
軟弱地盤の問題について目途も立たないまま、辺野古側での埋め立てを進めることは、莫大な予算の浪費でしかない。展望もないまま暴走し、ブレーキも効かない安倍政権の「あおり工事」を許してはならない。これは「沖縄問題」ではなく、日本全体に打撃を与える「日本問題」なのだ。