翁長雄志知事が死去した。辺野古新基地建設をめぐり日本政府と対峙するなかで、どれだけの心労を抱えてきたか。行政のトップにある者にしか分からない苦悩も多かっただろう。
リスクも責任も負わない立場であれこれ評論するのは簡単だ。しかし、知事となれば一つの決定を下すにも、配慮しなければいけない領域は多岐にわたる。仲井真県政下で作られた県職員の意識も急に変わるわけではない。自民党からすれば裏切り者であり、オール沖縄内部の保守勢力に対する切り崩しも激しかった。
翁長知事の死は直接の原因は病でも、そこまで追い詰めていったのは日本政府‣沖縄防衛局による強硬姿勢であり、新基地建設を進めるために安倍政権が沖縄にふるってきた暴力の結果である。翁長知事の死はたんに個人的な死ではない。自らの言いなりにならない者は力でねじ伏せればいい、という日本政府・沖縄防衛局の暴力は、沖縄県民全体に向けられているのだ。
翁長知事の冥福を祈るとともに、日本政府・沖縄防衛局を決して許さない。怒りをもって辺野古新基地建設を阻止しよう。