6日(金)は晴れて陽が差したが、風が強くてカヌーで海に出るのは難しく、船からK4護岸の状況を確認した。
オイルフェンスやフロートが被害を受けているのはK4護岸側だけではない。K3護岸の所もオイルフェンスが流されたり、ねじれたりしている。K3護岸からK4護岸につづく角の部分には、船が出入りする開口部が設けられていたのだが、今はオイルフェンスが切れてがら空きになっていて、開口部にあったフロートはK3護岸のそばに漂着している。
最初に護岸がつながって海が囲い込まれる辺野古岬の所が気になっていた。抗議船(平和丸)から見ると、この箇所のK4護岸の先端は被覆ブロックて覆われていて、その上に打ち上げられた汚濁防止膜をクレーンで吊り下げ、片づける作業が行われていた。
本来なら沖縄防衛局は、汚濁防止膜をそのまま海に再設置して、護岸の先端を保護している根固め用袋材を取り除き、捨て石の投下を再開したいだろう。しかし、台風8号が迫っているので、それは無理だ。
もし台風が来ていなかったら、K4護岸の捨て石投下が続けられ、昨日か今日にはN3護岸とつながっていたかもしれない。自然の怒りが海の囲い込みに必死の抵抗を行なっているようだ。
N3護岸の先端部を写した、上が今日の写真、下が台風7号が来る前6月29日の写真だ。比較してみると、オイルフェンスが打ち上げられただけでなく、向かって左側の被覆ブロックを覆っていた砕石が高波で流されたことが分かる。
天端(上面)に敷かれた砕石もだいぶ流されて凸凹になっている。流された石は海底に散乱し、サンゴや藻場を破壊しているだろう。沖縄防衛局のずさんな工事と台風対策が、貴重な辺野古の海を破壊し、傷つけているのだ。即刻、工事を中止すべきだ。
護岸を早くつなげることを最優先し、低い高さのまま工事を進めてきたため、台風高波が被覆ブロックを容易に超えている。そのためにオイルフェンスや汚濁防止膜が打ち上げられただけではない。護岸の天端(上面)の砂利や砕石も波で押し流されて、凸凹になって荒れたようだ。
そのために打ち上げられたオイルフェンスを下ろしたあと、K4護岸の天端にコンクリートブロックを敷き詰める作業が大急ぎで行われている。それでも高波が被覆ブロックを容易に越す状態は変わらない。これで土砂の投入を強行するつもりか。
被覆ブロックは近くで見ると、もともとかなり不揃いで乱れた置き方をされていた。消波ブロックがないまま台風の高波にさらされると、さらにひどくなっていくだろう。台風8号は瞬間最大風速75メートルという猛烈な強さになっている。沖縄に直撃する可能性があるが、どうなることやら。
K4護岸のそばでは各所で、ダイバーが海に入りオイルフェンスやアンカーの修理などを行っていた。修理と同時に次の台風の対策も行わなければならない。作業員たちは荒れた海で過酷な作業を強いられている。
オイルフェンスを陸に上げず、K4護岸のそばにつないでおくだけなら、また同じ失敗をくり返すだろう。今回は台風の威力が違うだけに、被害がより大きくなるのは必至だ。その責任はすべて沖縄防衛局にある。いったいどうするつもりか。
辺野古岬の岩場付近では、ダイバーが岩に引っかかったオイルフェンスを片付ける作業をしていた。しかし、完全に岩に乗り上げたオイルフェンスをどけるのは難しいだろう。カヌーを入れないために大型化したので人力では動かせない。台風8号が来るまでにはずせなければ、どうなるのか。
稀少サンゴ保護のため潮の流れを作り出すというパイプの上に、鉄板が敷かれて道が造られている。それにしてもだ、台風が作り出す波に比べれば、こんなパイプの排水で作り出す流れなど、ちゃちな児戯に等しい。
帰りに見ると、K3護岸からK4護岸につながる角の部分を補強する作業が行われていた。被覆ブロックが傾いていることからして、角の継ぎ目は構造的に弱いのだろう。
港に戻ったあとは午前中、道路の草刈りや砂の除去などの作業を行なった。