26日(月)は朝、カヌー10艇で松田ぬ浜を出発した。抗議船2隻と合流し、午前、午後とK3護岸の被覆ブロック設置に対して抗議した。この日はK4護岸でも被覆ブロックの設置が行われていた。
明日27日に天皇アキヒト夫妻が来沖する。それに向けてゲート前では先々週から、辺野古新基地建設に向けた資材の搬入が大幅に減っている。天皇の警備に機動隊が人員を取られたせいだが、海ではこの間も変わらずに護岸工事が進められてきた。
3月27日トは沖縄にとって歴史的な日だ。処分官・松田道之が武装した兵士や警官などを従えて首里城に押しかけ、廃藩置県を布達した日である。
https://ryukyushimpo.jp/okinawa-dic/prentry-43391.html
http://www.archives.pref.okinawa.jp/news/that_day/4631
天皇アキヒトがこの日を選んで来沖するのは、偶然ではあり得ない。近代日本国家が帝国主義的なアジア侵略の先駆けとして、琉球国を武力による威圧で滅ぼし、併合していった。その日をあえて選ぶことによって、日本(ヤマトゥ)の沖縄支配を正当化し、永続化することを示すものだ。
中国に対抗して自衛隊の配備・強化が進められている与那国島を訪問先に選んだのも、分かりやすい話だ。1879年に日本に侵略・併合されるまで天皇とは無縁であった琉球・沖縄を領土に組み込んだこと。領土の境界でそれをあらためて確認し、ヤマトゥの安泰のために沖縄人をからめとるのが、今の時代の天皇の役割である。沖縄においてそれは自衛隊の強化と一体のものだ。
近衛上奏文や天皇メッセージなど、沖縄を犠牲にして自己保身を図った天皇ヒロヒトの息子として、沖縄への慰霊の旅を重ねてアキヒト夫妻は沖縄人のからめとりを追求してきた。それは一定奏功したように見える。しかし、「戦後民主主義」の時代を生きたように見えるアキヒトが、父の沖縄に対する仕打ちを謝罪したことがあるか。
天皇が来たと有り難がるのは、人を身分や門地で差別するものでしかない。天皇制は1日も早く廃絶すべきであり、憲法改正が必要なのはその1点である。アキヒトに幻想を抱く暇があったら、辺野古の海で進められている新基地工事を直視することだ。沖縄の犠牲の上に米国に媚びへつらい、天皇とヤマトゥの安泰を図る天皇メッセージは今も生きている。
先週はK3護岸の内側(北東側)で被覆ブロックの設置が行われていたが、この日は外側(南西側)で設置作業が行われた。写真はK2護岸とK3護岸の継ぎ目部分に被覆ブロックを設置しているところ。この部分で護岸の角度が変わるので、下の方に隙間ができていた。
K3護岸工事に抗議するカヌーメンバーに対して、海保のゴムボートがオイルフェンスを押して揺さぶり、傾けて、またがったメンバーを落とそうとする悪質な弾圧がくり返された。時には体にゴムボートをぶつける場面もあった。
手漕ぎのカヌーに動力船がぶつかるのは、道路で例えるなら自転車に自動車が接触するようなものだ。陸上ならたとえパトカーでも事故扱いとなり処分される。海上なら人の体にゴムボートをぶつけても許されるのか。
上の写真3枚は、海保のゴムボートが船体とオイルフェンスの間にカヌーをい挟み込んでいるところである。カヌーが動けないように意図的にやっているが、カヌーからすればこれは極めて危険な行為だ。ゴムボートとオイルフェンスにはさまれ、圧迫されて大けがを負いかねない。ゴムボートはスクリューも回っている。ゴムボートに押されて転覆したらどうなるか。
海保は口を開けば「安全確保」を口にし、それを理由にカヌーを拘束している。しかし、実際にやっていることは、カヌーに対する危険な弾圧である。特に最近はこういう危険な手法が目立つ。事故が起きてケガをするのはカヌーメンバーであり、ゴムボートの上の海保ではない。
https://www.youtube.com/watch?v=hbK-U-Md9xc&feature=youtu.be
こういう厳しい弾圧下で、カヌーメンバーは数少ない機会を生かして抗議を行っている。ゲート前と違ってその様子を目にする人は少ないが、インターネットを見て分かったつもりになるのではなく、ぜひ抗議船に乗って海で実際の様子を確認し、ともに工事に抗議してほしい。
アキヒトの来沖は天皇としては最後のようだが、慰霊だの、沖縄への思いだの、きれいごとの裏で進められている辺野古新基地建設を見れば、その愚劣さにうんざりする。戦争のために新たな米軍基地が造られ、自衛隊が強化される沖縄の現実から目をそむけて、何が慰霊か。これで殺された沖縄戦の死者が慰められるか。天皇来沖と辺野古新基地建設に強く反対する。