5日午後4時43分頃、陸上自衛隊のAH64Dヘリが佐賀県神埼市の住宅に墜落した。搭乗していた隊員が死亡し、住宅は破壊されて炎上、小学5年生の女児が負傷した。米軍であれ自衛隊であれ、軍事基地がもたらす危険は変わりない。同じ事故がいつ沖縄で起こってもおかしくない。
普天間基地は市街地にあるから、辺野古に移せばましになるかのように日本政府は言う。それに同調する沖縄県民もいる。ヘリは海上だけで訓練をすると思っているのだろうか。沖縄の中で普天間基地をたらい回しし、宜野湾市民と名護市民が対立するような構図を作り出している日本政府の狙いに乗ってしまえば、沖縄に基地負担を集中させている政府の沖縄差別を増長させるだけだ。
新しく名護市長になる渡具知武豊さんは、名護市民の安全を守る責任を負う。辺野古新基地が完成し、名護・ヤンバルに海兵隊基地が集中すれば、名護市内での米軍事故・事件は間違いなく増加する。すでに名護市安部の海岸にオスプレイが墜落し、名護市出身の女性が元海兵隊員の米軍属に殺害される事件も起こっている。米軍がらみの事故・事件の再発防止に渡具知新市長はすぐに取り組まなければならない。
同時に、自らが選挙公約に掲げた「海兵隊の県外・国外移転」の実現に向けて行動しなければならない。「海兵隊の県外・国外移転」を求めながら、海兵隊の新たな基地建設を容認するなら、その矛盾はすぐに追及される。今までは議会で稲嶺市長を追及する立場だったが、これからは自分が追及される立場となる。名護市民はその言動を厳しく見つめている。
話は変わって、6日付琉球新報朝刊に、中城海上保安部所属の一等海上保安官が傷害容疑で緊急逮捕されたという記事が載っている。当直勤務中に勤務を抜け出し、飲食店で酒を飲んで男性従業員の顔や首を殴ったという。ちょっと考えられない事件だ。
沖縄の海保職員は昨年も、飲酒による傷害事件を起こしている。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/130130
いったい何をやっているのだろうか。こういう不祥事が続くのは、組織としての規律がゆるんでいる証拠である。沖縄県警もパワハラをはじめ不祥事が目立つ。市民には法令順守を口にし、微罪逮捕で弾圧しながら、自分たちはこういう事件をくり返している。国家権力をかさに着て、市民に命令、弾圧するのが当たり前という感覚が身に染みつき、自分の思うようにならなければ苛立って暴力をふるう、という体質になっているのだ。
日本政府は辺野古新基地建設を強行するため、海保を弾圧の前面に出している。しかし、それは海保の本来の仕事ではないはずだ。海が好きで、人命救助のために海保になっただろうに、米軍基地建設で海を破戒する工事を手助けさせられている。そういう負担を海保職員に強いるのを政府はやめるべきだ。