5月に入った。1日は朝、カヌー7艇で瀬嵩の浜を出発した。気持ちのいい五月晴れで、日差しは暑いくらいだった。海や空、森の色が鮮やかだったが、目障りなのが小浜に積まれていく石材の入った袋だ。自然の造形とは異質な人工物の醜悪さ。それが癌細胞のように広がっていく。
カヌーチームは辺野古弾薬庫下の岩場から伸びるフロートを越えて、小浜から引き出されたフロートのそばまで行って、抗議・監視行動を行った。浜の作業のため、目の前で進む工事を見ているしかないのはつらいものだが、実態を直視して問題点を洗い出すのも大切なことである。
周りを囲む鉄棒付きのフロートは破損が目立つ。引っくり返ったり、鉄棒がはずれたり、ロープが切れたり、これまで何度も指摘してきたが、無惨な有様である。これから台風が来たらどうするつもりだろうか。
金属の突起物が出ているので、カヌーからすると危険な状態である。沖縄防衛局の悪辣さからすると、こういう破損もカヌーや抗議船のせいにして、器物損壊などとでっち上げかねない。それを許さないためにも、この愚劣なフロートの実態を暴いておく。
1日は海底ボーリング調査を行っているスパッド台船1隻と黄色いクレーンの台船1隻が、新たな調査地点に移動していった。これも何度も書いてきたことだが、まだ埋め立て予定海域のボーリング調査すら終わっていないのだ。にもかかわらずK9護岸の工事に入っているでたらめさよ。とにかく工事が進んでいるという印象を市民に抱かせたいのだ。
先週に続き、K9護岸の建設予定場所や瀬嵩の汚濁防止膜のそばで採水を行っていた。汚濁が発生した時に備えて資料を集めているのだろう。あたかも自然環境に配慮しているかのように見せかける。沖縄防衛局のそういう嘘を高江でも辺野古でもどれだけ目にしてきたことか
午後3時40分頃まで抗議・監視行動を続けて、次の予定もあったので海上行動を切り上げた。小浜に積まれた石材は、両端に4トンの大きな袋材を置き、中の4列に1・6トンの袋材を置いている。海に向かって伸ばされて来て、先端部は4月25日に華々しく投下された5袋の袋材のすぐそばまで来ている。
積まれた石材の中央部は重機が移動するので、平らにするために石材を置くのも時間がかかっていた。浜に石材を積み重ねている工事用道路の建設が終われば、K9護岸工事のため海への石材投下が本格的に始まる。
それを止めるには多くの人が辺野古に結集して、阻止行動を自らになうしかない。それができなければ工事=海の破壊は進んでいく。