ゴールデンウィークも中盤で好天に恵まれた4日は、カヌー14艇で松田ぬ浜を出発した。五月晴れの下で辺野古の海の色もいちだんと映える。この日は平島の近くで、希望者にシュノーケリングの指導も行われた。
松田ぬ浜を出発すると、キャンプ・シュワーブ内の浜では米兵が金属探知機を使い、地雷除去の訓練を行っていた。この海と砂浜におよそ似つかわしくないきな臭い訓練が、金網を隔てた隣では行われている。
キャンプ・シュワーブ内の映画館では、この日も作業が行われていた。声が届くように浜の近くに寄って抗議をしてから長島の方に向かった。
長崎(辺野古岬)から長島の間に張りめぐらされた3重のフロートは、まだまったく手が付けられていない。この日もフロート撤去の作業は行われていなかった。ゴールデンウィークは休みをとるなら、5月9日の週明けから始めればいいものを、4月に着手したという印象を残そうという、いかにも沖縄防衛局らしい姑息なやり方だ。
しかし、そういう見え透いたやり方は、かえって県民の反発と白けた雰囲気を生み出すだけだろう。この長崎と長島の間のフロートも、これまでの作業を見れば片づけるのに半日もかからない。台風のたびに真っ先にはずすフロートであり、これを残していること自体が沖縄防衛局の「フロート撤去」のまやかしを示している。
辺野古岬周辺の陸上部では作業の動きはなかった。それを確認して長島の間を抜け、クレーン付き台船やスパッド台船を見て回った。
各台船ともに目立った変化はない。何もしないで置いておくだけでも、リース料や維持費、人件費は毎日何百万とかかっているはずだ。マリンセキュリティーという警備会社や警戒船に払われている金額を含めて、血税が浪費されている。
世間では貧困問題が深刻となり、授業料が払えず進学をあきらめる若者もいる。辺野古の海・大浦湾で毎日無駄に消えている予算があれば、どれだけの人が生活苦から救われることか。基地マフィアという言葉が生まれるように、辺野古新基地建設は利権の巣窟と化している。納税者はもっと怒らなければならない。
漕ぎなれないメンバーに合わせてゆっくりと大浦湾を漕ぎ、各台船や陸揚げされた浮桟橋、海保のゴムボート、フロートなどの様子を見て、ガイドパイプを回ってから長島の間を抜け休憩をとった。
大潮が近く潮の引いた平島周辺は、海草やサンゴがカヌーのすぐ下に見える。シュノーケリングの指導を受けたメンバーは、辺野古ブルーの海を楽しめて満足げだった。この清ら海(ちゅらうみ)を破壊しようとしている新基地建設を止めるために、ぜひ辺野古現地に足を運んでほしい。
松田ぬ浜に戻る途中、キャンプ・シュワーブ内の浜では水陸両用車が3両、訓練に出ようとしていた。浅瀬で訓練をすると、海底の海草が剥がれてしまう。自然を破壊するだけではない。軍事兵器は殺戮と破壊のためにある。人命救助などまやかしでしかない。